解離性同一性障害の治療 ~ある精神療法の記録その2~

counselling心療

第2回 怒りと不信の人格に出会う

□はカウンセラー、■は僕の発言

発達障害と機能不全家族

□ざっと復習させて下さい。

解離の話を前回したんですよね。相当あなたは家の中が荒れていたんですね。

■そうですね、荒れてましたね。ただそれが普通かと思っていたんで。

□そうなんですよね。自分の家庭が標準になりますよね。

■と思いたくなるんですよね。

□じゃあ今日も、あなたの方からお話ししてみて下さい。

■はい(?)

□まず、どっからでもいいんですけども解離の話から話されてもいい。それはあとで何か進展があったのかどうかとか…

■ああ、この3週間で。ですんで前回はBを呼び出していただいて、多分前回のカウンセリングってBが先生とお話しするところをAの私が見ているという構図だと思うんですけど、僕が解離しているキャラクターというのが、そのAとBとCの組み合わせでバリエーションが出るんだろうと。で前よりBの自分がはっきりしたというか、先生とお話ししてそういうことが出来るんだってことで、以前も家内と同じように話したことがあったんですけど、より絵が鮮明になったというかその意味で進展がありました。あと自分の祖父母に預けられているときのことを先生にお話ししたんで、その頃の感覚が強くなってきまして、当時のおもちゃをネットオークションで買ったんですよ。で引越が今日最終日で、古い家に届いたんでたまたま手元にあるんですけども。

□ちょっと見せて下さい。

■今便利なもので、ネットでこれを入手しまして。

□ほう。

■僕こればかりやっていたんで、幼稚園の時に。

□これは何のゲームですか?

■これはパズルゲームですね。キャラクターを動かして赤と白の並びを入れ替えるような。

□結構高かった?(笑)

■オークションで8000円ですけどね、これを家に持ち帰ってやろうかと。すると当時の気持ちがよみがえるかなと。現実逃避の道具としても良かったんで。家が荒れててもこれをやっていれば逃げられるとことがありましたんで。これをやっていれば暴力が振るわれなかったんで。そういう逃げ場所的な意味があったのを思い出しました。

□良く殴られたのあなたは?

■殴られましたね僕は。兄弟の中では一番殴られました。下の二人は逆に…あ、でも弟もやられたみたいですけど、僕ほどではないみたいですね。なんか昔風みたいな。

□どんなときに殴られたんですか?

■いやー、大体お酒飲んでいるときですね。

□お酒飲んでるときに、理不尽な?

■理不尽ですね。あと母親とのけんかの流れで、ネタを見つけられて。なんか思い出して怒られるんですよ、3週間前これしたろうとか、2か月前これしたろうとか。あのタイムスリップみたいな思い出しをするので。

□ああー(笑)発達障害なんだね。

■いやもう本当にそうです。この前お話を聞いてすごい思い当たったんで。

□タイムスリップ現象だ。

■こっちはとっくに忘れているんですけど、何か月前にこれしたろうみたいなことで怒られるので。

□思い出されて怒られるんじゃかなわんな(笑)

■本当です。多かったですそのパターンが。

□そうすると怒りが当然出てくるよね子どもの自分としては。その怒りはどうしていたの?

■出せないんですよね、結局母親が可哀そうだって思っていたので、発散するわけにもいかないし。普通だと下の二人をいじめるとかなるんでしょうけど、僕はそれがなかったんで。

□母親が可哀そうだと思っていたの?

■思ってましたね。で助けなきゃみたいな感じ。ただ大きくなって考えると、大人なんだからいろんなことが出来たよねって思うんですけど、母親はそれをやらなかったんで。

□やれなかったんでしょうね多分。やると余計怒りが出てくる人でしょうね。発達障害の人でアクティブ型強力型の人っていうのは、自分のやることを批判されると自分が否定された気持ちになって怒りが余計ひどくなるんですよ。多分お母さまはそれを学ばれたんだと思うんで、火に油を注ぐようなことはしまいと思ったんだけど、子どもにとっちゃまた違う景色が見えるでしょう。お母さんは逃げてるとか僕を守ってくれないとか。それはねぇ、結構多い現象なんですよ。多分お母さんはコトを出来るだけ早く静めたいために黙っていた。言えばもっと酷くなるんですよ。そして多分お父さんは自分から殴ったことはあんまり覚えてないかもしれない。

覚えてないです。本当に覚えてないです。

□そうでしょう?これがね、特徴なんです。受けた侮辱とか腹が立ったことだけ鮮明に覚えているんだけど、自分がやったことは忘れちゃうんですよ。だから、まわりが大変(笑)

■もうおっしゃる通りで本当に。典型例というか。

□そっか。

■ですので僕は逆に、友達とかと喧嘩が多かったですね。もしかしたら捌け口を友達関係の方に持って行っていたかもしれません。だから僕あまり性格の良いクラスメイトではなかったと思います、周りからしてみれば。

□子どもには絶対に分からないことだよねこれは。意見すると余計キレるから黙っているというのは。

■CombatのCというお話しを前いただいて、そこが結構僕の中で自然とCが出てきているので、Cを出すとかそういうのが難しいなあと思っていて。怒りもそうですけど、無条件で出したこととかないんで、いつも押さえつけている感じなんで、もしかしたらそこが悪いのかなと思ったりするんですけど。

怒りと不信のCombat人格

□あのね、まずCをあなたは怖がっているんですよ、Aの自分は。そしてBもCが怖いんです。だからCはとても孤独なんです(笑)でもね、Cというのは一言でいえば怒りだよね、理不尽なことに対する怒りでしょう。そういう怒りっていうのは、あなたが多分自殺したりすることを防止する力を担っているはずです。Cも実はAを守っているんですが、Cは少し不信感があるんで、Aはいい子ちゃん過ぎると怒ってんです。人の言いなりになりすぎだと。でCの言い分ももっともじゃないですか。だから子どもっぽい自分をそんなことやってって感じで見下しちゃう。

■でもありますね。あります。

□でもCも立派なあなたの人物なんです。敵じゃない。だからCが実は多分力になっているってことを受け入れられるようになってきたらあなたも変わってくる。怒りを持っているんだけれども喜怒哀楽っていって人間の感情には怒も入っているのが正常なんですよ。

怒るときは怒るんですけどね…。

□だから極端になっちゃうわけでしょ今までだったらね。ただCだけがボーンと出てきちゃったら、やっぱり周り全部壊しちゃったら。

■そうなんですよ、人間関係とかも壊しちゃうんで。そういうのを何回もやってきてるんで。

□ただCの言い分をちゃんとあなた耳を傾けてみる必要がある。でCのあなたはすでに僕の話を聞いているんですよ。でCが一番怖がっているのが、自分が要らないと思って消されちゃうんじゃないかと思って、存在を否定されるんじゃないかという恐怖を持っている人は非常に多いですよ。でもむしろ逆で、Cがいなければあなたの人格はバランスが取れない(笑)怒るべきところは怒ってもいいよ、融合してればなるほどと思うんですよ。あるときやっぱり適応する力を持っていないと生きられない。でもやっぱり理不尽なことに対しては怒りを持つのも正当じゃないかと。切り離さなくていいんだっていうことを分かっていればいいんですよ。で多分Cはあなたの力にもなっているはずなので、やっぱり頑張ること、そういうのは逆にCがやってきたんですよ。だからCは相当貢献度高いんですよ。

でCのあなたは何て呼んだらいいかなあ。Cをちょっと呼び出してみましょう。じゃあノリにしましょう。

■なんかすぐイライラするんで「イライラ君」とか名前が付いたんですけど。

□ネガティブな名前は付けない方がいいでしょう。じゃあやりますか。 (自我状態療法的な作業)じゃあノリさん出てきてください。

Cの出現

□はいノリさん、お話、聞いてましたよね?

■ずっと聞いてました。

□ノリさんお話しきいてどう思いました。

■うん、そうだろうと思いました。

□ノリさんがいないと弱くなっちゃうんですよ彼らは。だからあなたがいるから強かったんだということは僕も良く分かっていますし、今日の面接でちょっとAの彼も良く分かってきていると。でノリさんどんな気持ちでいたのかちょっとお話しして。いつ頃からいたのあなたは?

■自分がいたのは小さい頃からです。

□いつ頃からだったかな?

■2~3歳ぐらい

□じゃあずっと我慢してたんだね。怖かった?

■怖かったですし、理不尽なことが多かった。

□であなたが腹が立つとどうなっちゃうの?

■もう酷いですね。

□出せない?

■出せないというか、人を殺しちゃうんじゃないかと思って。

□ああそうだったんだね、ある意味で当然の欲求だよね。それでさ、今までノリさんは引き出しの中にしまわれてたんだよ。殺しちゃいけないと思って。殺しはしませんよあなたは。もともとそういう人じゃない。で、引き出しの中に入れといてもやっぱり時々は出てくるんだよね。そうするとCさんだけになるから援軍がないからさ。ちょっとまずいことになるね。

■一人になると、Cだけになると良くないことが起きる。

□例えばBのあなたがあれば可愛げがあって許してくれるでしょう。Aだったら「常識の線で収めようや」となる。だから三連合でやるのが一番いいんだ。怒っていいんですよ。ただCさんは消えちゃダメなんだ。だって理不尽なことで腹が立つのは当たり前のこと。でちゃんとあなたが市民権を持っていなければ力が出てこない。あなたはパワーを持っている。だからパワーを持っている者で、BとAの援軍を貰ってやれば大丈夫。鬼に金棒。結構つらかったでしょ?

■辛かったです。今でも覚えているのは、子どもの時にものを捨てられて、本当に小さい時ですけど、その時の父親に「これ要らないだろ」って怖い感じで言われて、反抗できないけど自分は理不尽で欲しかったものが捨てられたってことがあって。その時に母親に「どうして欲しいなら欲しいって言わなかったの」って後から言われて。

□言えないよね。

■大体年末に大掃除とかでそういうことが起きるんで。

□何捨てられたの?

■人形

□どんな人形さんだったの

■ウサギかな

□ああそうなんだ、あなたのお友達だったんだ。

■そうですね。ただ遊ばなくなってて、年末の大掃除かなんかで出てきて、焼かれたんですよ。

□ああそうだったんだね、自分が焼かれた感じになるね。

■そうですね、そういうのがあって。で理不尽だなと思って。子供の時のことってそういうのがいくつかあって。

□今だったらあなたはお父さんに「何言ってんだよ」って言えるね。小突かれたら小突き返せるよね。殴られたら殴り返せるよね。

■そうです。

□それが大事で、小さい時はパワーがないでしょ子どもっていうのはね。だからしまい込まされた。もうタンスの中に入ってなくていい。三位一体で行きましょうよ。で僕は会話することがすごく大事だと思っている。あなたがたが。だから例えばAさんが議長役になってCさんの気持ちをBさんに伝えてあげればいい。「理不尽だよね」とか。すっ飛ばしてみたいねとか。そういうことが出来てくるとだんだんと融合してくるんですよ。化学反応が起こってくる。

■それがないんですよね。

□それを少しずつ時間かかるかもしれんけどやっていきましょう。だから今日はAさんがCのノリさんのことをちゃんと認知できたということです。聞いてましたか。多分ねノリさんをそんなに怖い人間だと思わなくなってきていると思います。正当なんだもん。それ大事なの。正当だから怖がる必要ないの、大丈夫。

じゃあもとのあなたの状態に戻っていきますからね。

(自我状態療法的な作業)

同じ景色を見ていても、見る人によって景色が全く違うのが人間のあり方

□どういう感じだった?聞いてて。

■そうですね。

□辛かった?

■そうですね、ネタはたくさんあるんですけどね。

□少しずつお話ししてっていいんですよそれは。アウトラインが大体わかってきたでしょ。あなたはウサギの人形を焼かれちゃったのね。

■よくそんなことを覚えていますね。

□父親が要らないだろうと言って。

■なんか怖い感じで言われると「じゃあいいよ」って言っちゃったんですけど、でもそれをすごい後悔して、でも気が付いたらもう手遅れだったみたいな感じですね。

□焼かれたってのはすごくつらかったと思うんだ、でなんでつったらね、ウサギは自分だ。ウサギっていうのは傷つきやすい臆病な動物でしょ。あなたの子ども時代の心境と同じなんだ。だから多分ウサギは自分の分身みたいだったから、要らないって捨てられたからショックだったんだ。

■ああ

□単なる、こういうモノが捨てられたわけじゃないんだ。自分が捨てられて焼かれたみたいなもんですから、ものすごく鮮明に覚えているのはそのせいだと思う。要るのなら要るっていえばいいのにって言われたのね。

■母親にですけど。僕冬がダメなんですよねそれで。冬になると気分が落ち込んで。誕生日とかもあって冬は楽しいはずなんですけど、なんでかダメなんですよね。

□どういう出来事があったんですか?

■大体大掃除の時の夫婦喧嘩を見たりとか、今のもそうですし、あと3歳くらいのころですけど母親が父親に頭から灯油をかけられたことがあるんですよ。

□よくそんな恐ろしいことを。

■僕それから灯油のにおいがダメになって。で当然何も起こらなかったんですけれど、ただそこまで僕の目の前でやったんですよ。

□しかしすごいことするね。

■いやなんか…。でそれが終わったら何事もなく二人ともしてたんで。

□二人ともけろっとしていたの?

■けろっとしているでもないですが、恥ずかしいものを見せたでもないですが、彼らが何を考えているのか分からないですけど。なんか小さい頃からそういうのがあって。

□けろりとして見えたのねあなたにはね。でも怖かったのね。

■でよく母親が喧嘩の時に「殺される」って言うんで、僕それをイボの治療をするときに医者の先生の前で言ってしまったら、母親がだいぶ恥ずかしかったらしく「そんなこと言うんじゃありません」ってすごく怒られて。「いやあなた自身が言ってますよね」って感じですけど。

□それあなたはお母さんに言ったの?

■いや、言えてないです。全部一方的だったので。僕が住んでるところは本当に公営の団地だったので、県営住宅みたいなところでXXX市のはずれの方で、大体所得がない人が住んでるところだったんで、結構なスラムだったんで、あまりいい環境じゃなかったですね。

□Oの方?

■いや、Aです。A団地。でもOとかと同じ感じです。

□じゃあ高等学校の近くだ。

■そうですね、遠くないですね。A町ってところで。なのでまあ、大体子ども時代のいい話はございませんで。友達同士も良くないことが多かったですね。昼間歩いてると恐喝されたり物を分捕られたりする不思議な地域だったんで。

□じゃあいい思い出とかなかったんだ。

■いやそれなりに兄弟や仲いい友達とか思い出はあるんですけど、時として悪い思い出がそこを引っ張っちゃうというのはありますよね。両親は「楽しいこともあったでしょ」って覚えているらしいですけど、どこがだよというのはありますけれども。

□同じ景色を見ていても、見る人によって景色が全く違うのが人間のあり方ですね。

■本当にそうですね、夫婦でもそうですね。

□だから意見交換しないと難しいんですね。

■そうですね、喋らないとダメですね。おっしゃる通りですね。だから僕家内と結構喋ってるんですけど、原家族では一番喋る人間だと思うんですけど、喋るようにしているんです。喋らないと絶対に伝わらないんで。で、両親は「喋らなくても伝わるでしょ」っていうことを言うんですよ。そこは気を付けていますけど。直近の仕事は通訳をやってたんで、それは本当にしゃべり倒す仕事だったんで、ある意味合っていました。

□同時通訳?

■いえ、同時は出来ないんで逐次ですけれども。プラント通訳系だったので楽しくやっていましたけど。

過食気味のB

□最近奥様といろんな話をしていると思うけど今どんなことをおっしゃってますか?

■ここ最近だと、えーと安定しているように見えるけど過食気味だったりそれは仮の安定であって、実は安定してないよねと言ってます。

□なるほど、過食はBだよ。

■昔からいるんですよ。

□Bの自分なんです。

■なんか昔から過食して減らしてというのを繰り返していたんで。

□Bの自分も出してはいけない自分だったから、甘えちゃいけないっていうので。やっぱりしまっていたんですよ。でBは子供だから甘いものが欲しいんですよ。でお腹いっぱいに満たして寂しさを埋めたいんですよ。Bの本質は寂しさです。寂しいっていうことと、それから大丈夫じゃなくなっちゃうんですね。捨てられちゃうんじゃないかとか、そういう感じに近いんですよ。で甘えたいんだけど出てくると碌なことが起きない、叱られたりなぐられたりするんだから、出ないようにして管理をするっていうことでしょうね。でも時々出てくるんでその時に過食が始まってますし、ということなんだと思うんで。これもまあポジティブな意味では甘えというのは決して人間関係においては要らないどころかむしろ円滑材になりますよね。可愛げのある人間というわけ。だからそれを大事に育てていくことが大事だと思います。魅力的な人間ってどこか皆子どもみたいな部分を持っている人ですよ。だからそれを受け入れてあげていいんだっていう風に育ててあげればいい。多分奥さん鋭いからそれだよね、だからまだ不安定だってそういうことだと思います。まあ一体化するのにちょっとまだ時間がかかる。化学反応です中の。いろんな反応が起こってくるんで、時間はかかります。

■なので先生がおっしゃったように、彼女としては生ぬるくというか、あまり葉っぱもかけず見守っている感じですけど。

□まあ理想的ですよね。お仕事はどうですか、しやすいですか?

■しやすいんですけど、リモートワークでやっているんで、調整できるんで引っ越しの関係で今抑えていたんですけど、もう少し増やそうと思っていますちょっと業務量も収入も減りましたけど、今日で前の部屋を引き渡してきたんですけど、来月からはどんどん増やしていこうと。稼いではいるんで。

□いいんじゃないかな。奥様は仕事持っているの?

■はい、IT企業で、マーケティングの仕事です。彼女の仕事がXXXにあって引越したんですけど。

□今引越したの?

■XXXに引っ越しました。

□まああなたのような仕事だと場所を選ばないからいいね。

夕方が嫌い

□で今はところで気分変動はあまりなくなりましたか?あんまりなさそうじゃないですか。

■ないですね。ただ、時々やっぱりちょっと、不安になる感じがありますね。

□どういうときですか?

■夕方ですね。

□ああー。そういうことよりも、あなた夕方は嫌だったんですよ。

■父親が帰ってくる。

□そういうことだ。なんか変な緊張感が発生するとか、言われてみればわかるでしょう。なんかね、合理的じゃないことが起こっている場合には必ず仕掛けがあるんです。普通は夕方になってくると仕事から解放されてむしろ温かい団欒の時間だってなるのが普通だと思うんです。カギの音が嫌なのね。

■ちなみに見捨てられ不安の話がありましたけれども、僕のこういう状態って本とか読むとボーダーラインじゃないかと思うのですけど、そういう点はないでしょうか?

□ボーダーラインはボーダーラインだけですので。だからあなたの場合にはBの部分だけが担っているものだと思います。教科書的なボーダーラインは4つの指標があるんですよ。一つは見捨てられ恐怖。しがみつくわけね。二番目には操作。関心操作。色々な人の気を引くために人の悪口を言ってみて、あなたのことこういう噂をしているよとか言って自分を高くみせつけようとしている。それからスプリッティング。良い自分と悪い自分に分裂しちゃっている。それからあと抑うつですかね。依存とか抑うつの感情。そういったものが常に自分を支配しているという感じですよ。だからあなたの場合にはBの部分がそういう傾向がちょこっとあるっていう程度だと思うんです。Bは当然あるはずです。だからCは多分違うんです。むしろどっちかというと正義感が強いんですよ。本当は正義感が強い…(笑)今まではCのことを恐れていたから、悪者だとどっか思っちゃうんですよ。ところがね、正義感が強いという風に置きなおしてみると、理不尽なことで腹立つのが正当だと考えてみると、いろんなことが、Cの不可解だと思うことがなるほどとなる。

■真っ当なわけですねCは。

□大事なものが捨てられたりなんかして、訳も分からないのに殴られたりして、それで平気な人っていないよね。ただ出すとまずいからしまっちゃうわけ。それがあなたの辛いところ。しまわなくてもいいよってところから進みましょう。溶け合えばいい。三者連合。そういう感じでやっていくと、ちょっと時間がかかるけど、融合には時間はかかります。

■やっぱりそうですか。年単位ですか。

□そんなにはかからないと思いますけど(笑)進行していますから、あるところまでいけば、あとは自動的に起こってくるでしょう。冬が怖いのも、夕方になると胸が押しつぶされそうになるのも皆これの関係だ。

■なるほどですね、何十年たってもこういうのは来るんですね。

□でも変化はもう始まっていますから。それからさよならできますよー。あなたの中には長年の謎が解けているという感じがあると思いますよ。

(了)

第二回の感想

Cを呼び出したはずが、文章をよく辿るとお分かりになるだろうが途中からBとAが出てきてしまっています。このCの呼び出しは少し失敗だったかもしれません。でも、それだけCが表に出たくない人格であることも分かります。この頃の僕は、自分の受けたトラウマにフォーカスすれば自分の治療が進むものとばかり思いこんでいたので、それが話す内容とトーンにも反映されています。

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