【県庁時代】「新規採用職員インタビュー」記事

役人時代
福島県庁

(本稿は2003年に某所に掲載された原稿を再構成したものです)

この人に聞きました ~新採用職員かく語りき

座談会の参加者

participants of interview

●Aさん
県北建設事務所(二本松駐在) 主事(行政事務)
●Hさん
自立支援領域 児童家庭グループ 技師(心理判定員)
(聞き手 県政広報グループ参事 S)

「4月からあっという間でした」

参事:県職員になって一か月半余りが過ぎましたが、今の率直な感想はどうですか。
A:あっという間でした。仕事が用地事務と専門的なので、最初は先輩の話を聞いたり、勉強だけでしたが、最近少しずつ分かってきて楽しいと思えるようになりました。
H:私もあっという間でした。まだ、回りの先輩の方々に迷惑をかけることが多いですが、やっと自分の仕事が分かってきて、とにかく一生懸命やっています。

参事:Aさんは、今、県北建設事務所の二本松駐在ですが、具体的にはどんな仕事をしているんですか。
A:二本松市に六角川という川があるのですが、昔から夏季に大雨が降ると氾濫しやすい川であるため、県の緊急対策事業として現在川幅の拡張などの河川改修を行っておりまして、その用地買収をやっています。
参事:これは、何年間ぐらい続くんですか。
A:5年間の予定ですが、現在2年目です。用地買収のほうは、今年と来年で目途をつける見込みです。
参事:いろいろなことを経験するのはよいことですね。特に用地事務はたいへんだと言われていますが、これからの県職員の仕事に必ずプラスになると思いますよ。Sさんは心理判定員ですね。具体的にはどんな仕事をしていますか。
S: 児童扶養手当の認定をしています。県中地区と相双地区を受け持っています。
参事:心理判定員の仕事とは少し違いますね。
S: そうですね。はじめ多少戸惑いがありましたが、楽しく仕事をしています。
参事:本来であれば児童相談所や施設などで専門的な仕事があるんでしょうね。心理判定員の仕事はどんなことをするんですか。
S: 知的障害児などの心理テストを行って、障害の程度を判定するような仕事だと思います。実際やってないんで、詳しくは分かりませんが(笑)

多少のギャップも・・・

参事:話は変わりますが、実際に県に入られて、思い描いていた県庁とのギャップというようなものはありましたか。
A:事務職なのでデスクワークが大半だと思っていましたが、用地交渉ということで家庭に伺うことが多いのが、ギャップといえばギャップと言えますね。地権者のお宅に行ってお茶を飲みながら「そうですよねー」なんて話をするとは思っていませんでした。
参事:Aさんはそういうのは苦手なんですか?
A:いえ、大好きです!(笑)
参事:そういう意味では苦にならなくていいですね。
A:はい。先輩にも冗談で「人事グループもよく見ているな。適材適所だ」なんて言われたりしました。(笑)
参事:Sさんはどうですか。
S:Aさんとは逆に、外で県民の方と話をしたりする仕事だと思って入ったので、デスクワークばかりなのは驚きました。それから、話では聞いていたんですが、実際に県庁で仕事をしてみて、本当に忙しく夜中まで仕事をやっている方がいて、あらためて大変さを実感しました。
参事:Aさんは夜の仕事がメインですから結構遅いですか。
A:いえ、先輩方はそうですが、今は新採ということで大目に見てもらっています。
参事:これからですね。Sさんもそうですか。
S:今までは早く帰っていましたが、最近少し残業をするようになりました。
参事:そうですね、定時で帰れるのが一番いいです。残業するのが異常だと思わなければいけないんですが、どうしても季節的に忙しいときはありますね。とにかく、県庁は帰りが遅い人が多いです

こんな仕事をやってみたい

参事:今後はどんな仕事をやってみたいですか。
A:あくまでこれは一例なんですけど、採用面接の時にも話をしたんですが、企業誘致に興味があります。福島県は空港にしても道路にしても、ある程度インフラはできていると思うんですよ。それを活かして、全国から企業を集めてくる仕事をやってみたいです。あと英語が好きなので、国際課にも勤めてみたいです。
参事:なるほど、今、企業誘致は冬の時代で難しい環境ですけどね。少し前は企業誘致で全国で1,2を争っていたんですよ。企業局も非常に苦戦していますので、そういう意欲のある方がいれば喜ぶかもしれません。
Sさんはいかがですか。
S:私は児童相談所とか、実際に現場に出て、心理判定員としての仕事をしていきたいという希望を持っています。
参事:勉強が必要な仕事ですから、たいへんですけど、早く希望する仕事に就けるといいですね。

アフターファイブは?

参事:あまり残業はないようですが、家に帰ってからは何をしていますか。
A:あまりまっすぐ家には帰りませんね(笑)。家は郡山で、職場のある二本松へは電車で通っているんですが、郡山の街で友達と食事をしたり、酒を飲んだりしています。
たまには、スポーツクラブに行ったりもしていますが・・。
参事:家から通勤出来ていいですね。
A:そうですね。
参事:最近は、実家から通える場所を初任地にすることも多いようですね。私のころはまずは出すということで、金銭的に学生の時よりも苦しかった思い出があります。
Sさんはどちらの出身ですか。
S:原町市ですので、アパートを借りています。
参事:アパートの家賃も高いですから、大変ですね。仕事が終わってからはどうですか。
S:食事をすることもありますし、ジムに行って身体を動かしたり、家でゆっくり本を読んでいることもあります。
参事:さすがに毎晩、飲み歩くことはしないんですね。
S:さすがにそれは・・(笑)
A:すいません。(笑)
参事:休日は何をしていますか。
A:例えば安達太良山の山開きに行ったり、サファリパークに行ったりして、二本松の話題を仕入れたりしています。結構仕事の話題につながったりします。
S:最近、車を買ったので、仙台とか猪苗代にドライブに行ったりしています。
参事:それぞれ充実した生活で、いいですね。

学生時代との一番の違いは、休み?

参事:職場は、結構年齢差がありますから話が通じないということはありませんか?
A:40代、50代の方が多いですが、私は、昔から年上の方と話する機会が多かったので、あまり気になりません。山菜取り釣りやキノコ採りなど共通の話題があったりしますから。
参事:Aさんは、心配のないタイプかもしれませんね。(笑)
S:臨時の方に若い人が多いし、女性も多い職場なので、話に困ったりしたことはないですね。いい職場です。
参事:そうですか、でも本庁そのものは、人事のローテーションの関係で、一番若い職員でも28,9歳というところが多いんですよ。出先で採用になると、本庁に来るまで5年くらいかかるパターンですからね。
学生の時との違いは、やはりお金の面ですか。
A:私は楽になりました(笑)
参事:それはともかく、一日中仕事をしているっていうのは学生の時とは全然違いますよね。一番の違いは休みがないってことかもしれませんね。
A:好きな時に休めないという・・・。
参事:夏休み、春休み、試験休み、休みがたくさんあるのはいいですよね。私も新採のとき、夏休みがないのがとてもつらかった思い出があります。
4月から働いて、そろそろ疲れてきたころではありませんか。
A:それは特に感じません。
S:私もそうです。
参事:そうですか、私も4月から仕事が変わったのですが、家に帰ると毎日、「疲れた」と言ってますけど(笑)
それでは、最後に、初任給は何に使いましたか。
A:弟や妹にお小遣いをあげたり、父にはお酒を買ってあげました。
S:私はまだなんですが、母の日と父の日には何かプレゼントするつもりです。
参事:いいことですね。今日はありがとうございました。今後とも頑張って下さい。

(了)

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