【福島県シンガポール通信第12回】タイのハラルフード(調査出張)2008.5.25-26

福島県シンガポール通信
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(本稿は2008年に福島県国際課HPに僕が寄稿した原稿を再構成したものです)

機関誌の特集記事を執筆

私が在籍しているCLAIRでは、毎月一回「自治体国際化フォーラム」という機関誌を発行し、東京本部と海外7事務所が最新のトピックを掲載し、協会の活動について広く一般に広報しています。

自治体国際化フォーラム|CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会
CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会は7つの海外事務所を活用した地方公共団体等の海外活動支援や、諸外国の地方自治に関する調査研究、また、地域の語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)を推進しているほか、地方公共団体の海外との姉妹提携や姉妹交流活動を支援しています

このたび新年度である2008年度に入り、私が在籍するシンガポール事務所が所管国の「ASEAN10か国+インド」について特集記事を執筆することになり、「東南アジアのハラル産業」と題して、イスラム教徒の多く住む東南アジア地域のハラルフード事情について詳しく調査することになりました。その出張でタイの首都バンコクを訪れましたので、ご報告します。

ハラルフードとは?

ハラルフードとは、簡単に説明すると

イスラムの教えで決められた所定のプロセスにのっとって処理された、「適法」な食肉や食べ物

を指します。

基本的に、イスラム教徒はハラルフード以外のもの(「適法でない」という意味で、「ハラーム」もしくは便宜的に「ノンハラル」といいます)を避けながら生活しなければなりません。一般的に知られている「イスラム教徒は豚肉を食べることが出来ない」という教えも、豚肉が戒律(シャリーア)によってハラームだと規定されていることに由来するのです。

タイで使われている「ハラル認証マーク」

例えば我々がシンガポールで普通に生活していても、フードコートやホーカーセンターに行けば「ハラル認証」を取得したイスラム教徒向けの食事が提供されています。また、スーパーマーケットではお酒豚肉といったハラームな食材とはスペースが分けられて、ハラル専用のコーナーが設けられていることも決して珍しくはありません。

今回、ASEANの胃袋を支える台所であるタイを訪問し、現地のハラルフード産業について見聞を深めて参りました。

食品展示会/フードフェアに見るハラル市場

今回の出張では、まずタイの首都バンコクで開催されていた「Thaifex World of Food Asia」という展示会に行き、実際に食品関係の展示会でどれだけハラルについてクローズアップされているのか、その現地の状況を肌でつかんでみることにします。

ちなみに、歴史的な背景もあって、タイにいるイスラム教徒もそれなりの規模(数百万人と言われています)がある一方、今回は国際的なフードフェアでもあり周辺各国のバイヤーが訪れるので、どれだけハラル認証を前面に押し出しているのか、それを確認することも出来ると考えています。

今回の会場であるImpact Exhibition Centerは、バンコク北部の大きなコンベンションセンターですが、すでに展示会場は大勢の来客で賑わっています。

専門業者の集まりなのかと思いきや、意外と一般の来場者も多く、様々な国から展示されている食品類を見て回っているようです。

展示会場には大勢の来場者が

展示会場の一角には、ハラル専用のエリアも設けられています。

そして展示ブースの多くに、当然のごとくハラルマークがクローズアップされているのも興味深い点です。

ハラル認証のお米

私たちはこのフードフェアの会場で、タイの「ハラル中央委員会」という専門組織にアポを取ってあり、そこの職員の方から様々な地域事情・情報を聞くことが出来ました。

 

JETROバンコク事務所、ハラルラボ、チュラロンコン大学を訪問

また、今回はバンコク市内でハラルに詳しい方々を訪問して聞き取りを行いました。

まずはJETROバンコクを訪問し、専門員の方と私の派遣元福島県からこの事務所に派遣されている駐在員仲間のSさんを訪問します。

JETROバンコク事務所にて

また、タイの名門大学であるチュラロンコン大学にある、ハラルサイエンスセンターでも様々な聞き取りを行いました。

ハラルサイエンスセンター

詳細な内容については記事で執筆予定なのであまり詳しくは書けないのですが、単純にハラルフードと一言で言っても、その処理方法や各国ごとの温度差など、国や地域によってさまざまに違いが出てくるのがとても印象的でした。

まとめ

日本にいるとなかなかピンとこないハラルフードですが、イスラム教徒が多く住む国を一度訪れてみればその大きな存在感(例:お酒が飲めない)をひしひしと感じずには居られません。今後日本が多文化共生を進めていく上でも、避けて通ることが出来ないキーワードであると感じました。

(了)

続きはこちら↓

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