【海外出張の達人】海外出張中、パスポートのベストな管理方法

How to keep your passport overseas 海外出張の達人
How to keep your passport overseas
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パスポートの管理方法は千差万別

国内旅行と海外旅行の違いは様々ですが、やはり一番の大きな相違点は、海外滞在中いつもパスポートが必要になってくること。人によっては「命の次に大事なもの」とまで言い切ることすらあります。

僕のこれまでの業務出張アテンドでも、本当にパスポートにまつわるこもごもの悲喜劇がありました。具体例については別稿でご紹介したいと思いますが、僕が海外に出張する際、別拠点の社員とはたいてい海外の空港ロビーで落ち合うことが多くありました。特に若手の営業マンだと、海外にどれくらい行ったことがあるかは本当にまちまちでしたが、僕が彼らと落ち合って最初にする質問の一つが、

「ところで海外にいる間、パスポートはどう管理する?」

というものでした。この質問に彼らがどう答えるかによって、パスポート管理におけるある程度の危機管理の素養が測れると思っています。あとは返ってきた彼らの返事に応じて、出張中のその人へのフォローを調整するようにしていました。 「この人は不安だな」という時には、移動する節目ごとにパスポートの有無を確認したりします。

パスポート管理の基本は2つ

まず最初に基本事項の確認ですが、海外旅行/出張におけるパスポート管理には大きく以下の2つの側面があります。

①パスポートを盗まれない・失くさないための対策やコツ(予防)
②紛失してしまった際のダメージコントロール(リカバリ)

また、②に関連して、万一紛失してしまうと、旅程を立て直すために追加の滞在日数や費用が余計に必要になるため、

・最善のリカバリーは何か(現地再発行か、帰国のための渡航書で済ますか)
・誰が残って対応するか(本人にやらせるか、自分も残ってアテンドするか)
・行程の再検討(複数国をまたぐ出張の場合、次の国にそもそも入国できない。また、滞在都市に日本国大使館/領事館がない場合国内移動が必要)

といった要素も、アテンド者としては事前に考えておかねばなりません。複数人で行動する業務出張の場合、訪問先の相手もいることですから、思ったより処理が複雑になることも多いのです。旅程が続かない場合、アポのキャンセルも含め広範な事後処理が必要になってきます。可能な限りそういう事態は避けたいものです。

紛失予防の考察

まず、紛失予防について考察します。
ここでは一つのたたき台として、僕がかつて社内資料として作成し、若手社員向けに渡していた注意文書から、「出張中パスポートをどう管理するか」の項を以下抜粋します;

出張中パスポートをどう管理するか?

【大前提】100%安全な管理方法は存在しない。
→より良い管理方法を自分で判断する必要がある。結果が全てなので、最終的に紛失さえしなければどんな管理方法でも構わない。

①ホテルのフロントに預ける…ホテルによっては管理がずさん(フロント背後の誰でも取れそうな場所に投げ込んでおく場合もある)だが、ある程度以上のホテルなら安全かも。

②部屋のセーフティボックスに入れる…基本的に宿泊中の部屋は、従業員が自由に入れると考えた方がいい。ボタンに残った指紋からボックスを開けることも可能だし、マスターキーが存在することもある。悪意ある従業員には対抗できない。

③スーツケース等にしまって施錠しワイヤーで固定する…安ホテルや治安の悪い国では、ケースそのものが破壊され貴重品を盗まれることもあるが、一定以上信頼のおけるホテル・国であればそれなりに安全かもしれない。

④貴重品ベルト等に入れ、常時持ち歩く…国によっては常時携帯義務がある。路上でのスリや部屋不在時の盗難に対しては一定の効果があるが、万一強盗に襲われた場合ひとたまりもないのが欠点。腹巻ベルト等が便利。

⑤カバンに入れ持ち歩く…置き引きやスリに合わない自信があるなら、一番オーソドックスな管理方法。ただしひったくりや置き引きの被害にあいやすい。

もしかしたらこれ以外にも方法があったり異論があるかもしれませんが、僕流としては選択肢はこんなところです。ときどき市販のガイドブックを読んだりすると、結構乱暴に「貴重品は部屋のセーフティボックスを利用しよう」とか「パスポートはフロントに預けよう」と書き捨ててあるんですが、ちょっと待ってよもう少し考えてからそうしようよとか思わないでもないです。

僕の場合、東南アジア+インドと北米、欧州がメインだったので実際は国と都市によって管理方法を使い分けていました。以下、それぞれのケースについて一般論として考察します。

①フロントに預ける

さすがに、フロントに預けていたパスポートがいつの間にかなくなったという話は聞いたことがないので、紛失・盗難に対する安全性だけを考えれば一番確かな方法かも知れません。アジアやヨーロッパの一部など、場所によってはそもそもパスポートを預けっぱなしが前提のホテルもあります。
ただ外国ではパスポートを常時携帯する義務がある国がほとんどなので、街歩きなどの外出時に不携帯であることによる不利益も予見されないではありません。何らかのIDは持っていた方がいいので、例えば写真面のコピーを持ち歩いて原本はフロントに預けっぱなしにするというのも一案でしょう。
ただ、例えばイタリアの地方のホテルなんかに行くと小さい棚にレシートと一緒に並べて転がして置いてあったりするんで、なんかあまりいい気分はしないです。
ま、ちゃんと返してさえくれるなら別にいいんですけどね。

②部屋のセーフティボックスに入れる

治安のよくない国、特に警察がきちんと対応してくれない国では避けるべきオプションです。昔はよく、ボタンに残った指紋や熱をもとに4桁のパスコードを特定して、侵入者が何度も試すような話を耳にしました。ボックスが最新型とか、しっかりしているとかそういう問題ではなく、本来セーフティボックスには最悪無くなっても行程に支障がないものだけを入れるべきでしょう。同様の観点から、現金類をセーフティボックスに入れるのも感心しません。悪意ある内部関係者が入ればお札だけ数枚抜き取ることも可能です(実際そういう経験をした人もいました)。

③スーツケース等にしまって施錠しワイヤーで固定する

スーツケースの構造にもよりますが、宿泊者の不在時にスーツケースを開けることはそう難しいことでもないようです。特に、ジッパー式開閉のスーツケースは誰でもペン一本で開け閉めが可能です。治安の悪い国では、部屋に置いておいたスーツケースそのものが破壊されるような噂を聞いたこともあります。
僕的には、あまり外が安全とは言えない街で外出する予定がある時、もし一定以上のクラスの信頼できるホテルに泊まっているのであれば、この手法を取ることもあります。その際にも、スーツケースの中で現金やパスポートを一見分かり辛い場所に入れる(衣類の中など)など、一応の保険はかけます。

④貴重品ベルト等に入れ、常時持ち歩く

唯一ホールドアップ強盗には対抗できない点を除けば、いつでも身近に確認できる自分の安心感からいっても、この手法がベストだと思っています。万一の際の身分証明的にも万全です。ただ、お酒をたくさん飲んだりどこかで衣類を一旦脱ぐ?予定がある人にはあまりお勧めしません。

⑤カバンに入れ持ち歩く

④同様、オーソドックスで信頼感の高い手法です。ただスリや置き引きの多い都市、飲み会を予定している際には、やはりそれなりの紛失リスクが伴います。

大前提について

まあ当たり前なんですが、結局海外旅行には外出と移動と会食がつきものなので、パスポートを100%安全にキープすることは出来ないんです。どうしても紛失する時は紛失します。よって、そこから導き出せる教訓は「紛失を前提としたリカバリー方法を、少なくともどこか頭の隅に入れておくこと」。この心の準備が少しあるだけで、実際の緊急時の対応はかなり変わってきます。
ここから、前述のリカバリーの話に移ります。

リカバリー対策

passport

あまり不吉なことは考えたくないものですが、最低限の備えがあるとちょっとリカバリーが楽になります。個人的に行っている対策は、

パスポート用予備写真数枚戸籍謄本原本を用意し、
スーツケースの隅っこに入れておく」

です。

そこまでやるか?と思わないでもないですが、仮に紛失して現地大使館で再発行をお願いする場合、写真はどうしても自分で準備しなくてはなりません。必ずしも手ごろな証明写真ブースがあるわけでもないですし、あるいは旅行保険によっては撮影費用がカバーされるかもしれませんが、緊急時だけに単純に時間がもったいないです。
しかも、パスポートを紛失してショックを受けた顔で現地で写真を撮り、それが再発行したパスポートでずっと使われることになるわけです(笑)。出来ることならいい顔で映った写真を使いたいので、僕はいつも持ち歩くようにしています。

また戸籍謄本は必ずしも必須ではないようですが、本籍地に確認が取れるまで余計な時間がかかるようですから、ないよりはあった方が早い。はず。写真と戸籍謄本の入手費用なら1000円をちょっと超える程度の出費で済みます。まあ、お守りみたいなものです。

さすがに同行者にこれを強制する気にはならないし、実際にパスポート再発行を申請したこともないのですが、気休めとしていつもスーツケースに入れています。

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