パスポートトラブルのケーススタディ
前回の記事では、パスポートの紛失とその予防、そしてリカバリ対策について考察しました。
https://schliemann.tokyo/how-you-should-keep-passport-during-trip/
10年以上海外出張のアテンド業務を行っていると、さすがにいろいろな形でパスポートにまつわるトラブルを経験することになります。ここでは、僕が実際に見聞した限りでの、パスポートにまつわるトラブルをいくつかご紹介します。
ケース①:出発空港への持参忘れ
関西圏の社員が、某地方空港から成田に飛び、そこからヨーロッパへ出張する行程。地方空港のカウンターでスーツケースを預けたが、その際にカウンターでのパスポート確認は一切なし。(この人はカウンターで対面チェックインしたらしいので、本当はここで航空会社のスタッフがパスポートを確認してくれても良かった。)
成田到着後、国際便にチェックインする際に不携帯が発覚。残り2時間で取りに戻れるはずもなく、そのまま出張もおじゃんに。安いチケットだったので変更も利かず、航空券代は払い損となる。
成田到着後、国際便にチェックインする際に不携帯が発覚。残り2時間で取りに戻れるはずもなく、そのまま出張もおじゃんに。安いチケットだったので変更も利かず、航空券代は払い損となる。
シンガポール時代、直前まで職場でバタバタしていた同僚が、直接向かったチャンギのカウンターでやはり不携帯に気づく。しかし彼の家はイーストエリアにありチャンギ空港から近かったので、家族にタクシーで急遽届けてもらい滑り込みセーフ。
自宅の最寄り駅で、家族のパスポート不携帯が発覚。取りに戻って20分のロス。
→意外とあるこのケース。もうこれは、「家を出る際にパスポート、クレジットカード、スマホを持ったことの確認」を徹底するしかありません。僕はこの3つを海外出張の三種の神器と呼んでいます。この3つさえあれば海外出張は何とかなります。
ケース②:現地での紛失
アメリカ出張のためにボディバッグを新調した社員。しかし、普段使い慣れていないことが逆に仇となり、ディナー会食のレストランでテーブル下に置いたまま、パスポートや現金など貴重品もろごと置き忘れ。酔いがやや覚めてホテルに戻ってからようやく気付く。しかし地方の比較的安全な街だったので、バッグはそのままテーブルの下に残されており、無事全て回収。
ドイツから日本への帰路、僕ら一行総計6人が、ホテルに手配してもらった地元タクシー2台に分乗して現地空港に向かう。僕グループは支払いの際レシートを貰っておいたが、もう1グループは払ってそのまま(レシート貰わず)。空港内でチェックインカウンターに向かう際に、その別グループの社員が「あれ、パスポートがない!」。ホテルを出る際には確実に持っていたとのことで、タクシー車内に落とした可能性が濃厚だが、レシートがないのでどの会社の何番のタクシーか分からない。この時点で残り2時間を切っている。
急遽、その辺に待機していたタクシー乗務員を掴まえて、社内無線で本社を呼び出してもらう。ホテルにも電話し、別タクシーの会社とドライバーをようやく特定、パスポートはやはり車内に落ちていた。運転手さんにお願いして、急いで空港まで持ってきてもらう。もちろんチップは弾みましたともええ。(後日会社に請求)
急遽、その辺に待機していたタクシー乗務員を掴まえて、社内無線で本社を呼び出してもらう。ホテルにも電話し、別タクシーの会社とドライバーをようやく特定、パスポートはやはり車内に落ちていた。運転手さんにお願いして、急いで空港まで持ってきてもらう。もちろんチップは弾みましたともええ。(後日会社に請求)
幸い、まだ大使館や領事館のお世話になるような紛失事案に出会ったことはないですが、ドイツの案件は本当に冷や冷やしました。旅慣れない同僚をドイツに放置して帰るわけにもいかないし、6人のグループだったので他の人は帰さないといけないし(全員で残るわけにもいかない)。短時間でリカバリーできたのは、こちらの初期対応が良かったのもありますが、実にドイツの地元タクシー運転手の皆さんのおかげだったと思います。
ケース③:番外編
ヨーロッパA国で行われる重要会議に参加予定の社員が、ストップオーバーで会議前日にB国入りし、そのまま古代都市観光に。しかし交通機関内でスリ被害にあい、パスポートを盗られる。このままではA国に移動できず、また在B国日本大使館ではパスポート再発行に数日かかるとのことで、会議参加そのものがダメになりそうな状況に。しかし彼にはなんと、某G省方面の有力者に知己がいた。まさかの即日再発行というミラクルを遂げ、無事会議に参加できたというもっぱらのウワサ。
まさに「良い子はマネをしてはいけません」というか、真似しようにもコネがないとできない離れ業。この他、噂ベースではありますが状況によっては即日再発行してもらえたケースもあるようです。
このほか、ホテルのカウンターに置き忘れたとか服に入れっぱなしにしておいたとか、小ネタは色々あるのですが大きいものはこれくらいです。
現状のベスト対策
こういう様々な経験を積んだ結果、僕が昨今、通常取っている対策としては
ですかね。やっぱり常に持ち歩くのが一番安心な気がします。
あと、飲みすぎたり変な場所に出かけたりしないことです。
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