技術商社2回目の出張はスイスとデンマークを巡る8日間の旅。撹拌機と製薬機械のメーカーを訪問し、技術トレーニングと新規開拓を行います。
東京、大阪、名古屋からスイス入り
今回の旅は東京から僕を含め4名、大阪支店と名古屋支店から各1名が参加する合計6名の大所帯の旅となりました。東京組はスイス航空で、成田からチューリヒまで直行便12時間で移動します。
スイスに到着し、チューリヒ空港から今度は鉄道にて移動。近郊の都市ルチェルン(Luzern)まで、約1時間の電車旅です。長時間フライトの後に夜間の移動なので、結構身体が辛かったですが、Luzern駅に到着後は、駅前すぐのWaldStaetterHof Hotelに投宿します。日本を出てから18時間でようやく現地に着きました。
メーカートレーニング
今回のトレーニングは、このスイスにある撹拌機メーカーさんで行われたもの。商材自体は、弊社的には最近取り扱い始めた新しいもので、要するにハンドミキサーの大きいものだと思えばいいです。
通常のキッチンで使うハンドミキサーであれば、かき混ぜる材料に特別なものはないので、よほど粘り気がある液体を無理にかき回しさえしなければ、故障したり目的が達せられないことはほとんどありません。しかし、このメーカーが製造している商材は、大規模な工場や生産現場で使われる産業用のミキサーで、よりシビアな環境で大ボリュームの原料を長時間かき混ぜるような用途を想定したものなのです。攪拌部の歯や、ローターを回すモーターにも工業用のものが使用されて耐久度を上げてありますが、やはり使用方法を含め工業用レベルでのメンテナンスが求められてきます。
当然、清掃(CIPやSIP)の利便性、そして混合する際の歯の能力など、とても簡単には説明しきれない、高度な技術要素が詰め込まれた機械です。
僕らの滞在中、創業家一族の若い副社長さんとインド出身のエンジニアがアテンドしてくれ、ホテルの滞在からアフターファイブの食事まで丁寧に対応してくれました。
スイスの街を歩く
初めてスイスに来たわけですが、当然ながら2月なので天候は極寒です。気温も、日中ようやく0℃を少し超え、夜になるとマイナス8~10℃ぐらいまで下がります。トレーニング自体は3日間の日程で僕らはこのLuzernの街に4泊したわけですが、その中で地元のマイクロブルワリーで地ビールを飲んだり、副社長の趣味でなぜか地元の空手道場に参加するなど、大変楽しい経験をさせてもらいました。
次いでデンマークへ
さてこのミキサーメーカーでの研修はあっという間でしたが、ここで東京、大阪そして名古屋から来た営業マンにはチューリヒから日本に帰ってもらうことにし、僕とハイテク専門の営業マンの二人でデンマークのオーフスという都市に向かいます。
チューリヒ空港からコペンハーゲン空港まで1時間半、そしてコペンハーゲン空港からオーフスまで35分のフライトです。コペンハーゲン空港でのトランジットが45分しかないので、結構大忙しのトランジットとなりました。
そしてロストバゲージ
そしてオーフス空港に着いてからトラブル発生。ターンテーブルで待てど暮らせど僕らの荷物が出てこないのです…。どうやらコペンハーゲン空港のトランジットが厳しすぎて、荷物がロストしてしまったようでした。早速空港の係員に確認してもらうと、スーツケースはまだコペンハーゲンにあって、次の便でオーフスまで来るので僕らの滞在先のホテルに届けてくれるとのことでした。
しかし、次の便というのはその日ではなく次の日の朝に飛ぶフライトなので、僕らは今日一晩スーツケースの荷物なしで過ごさねばなりません。本来、僕は全てを機内持ち込みで済ますために小さなスーツケースで来ていたのですが、スイスでお土産にもらったサラダドレッシング(例の撹拌機を使っている工場で作られたスイスのレシピのもの)が液体なのでどうしても機内に持ち込めず、やむなくチューリヒ空港でチェックインしてしまったのでした。こんなことならドレッシングなんて飲み干してしまえばよかったと思いましたが後の祭りです。ホテルの住所をカウンターで登録し、身ぶらな僕らはオーフス空港からタクシーで市街地に向かいます。
今回訪問するメーカーの担当者の方にお願いして、メーカー近くのホテルを取ってもらいました。Helnan Mersilis Hotelという、バルト海に面した瀟洒なリゾートホテルです。
新規メーカーとの取引開拓
さてこのデンマークのメーカーですが、スイスの会社とは全く違う分野で、製薬関連の容器をオンラインで高速検査する大規模な機械を製造している会社です。この年にドイツであった大きな展示会で弊社の社長が発掘し、とりあえず先方の会社規模を確認し顔合わせをする目的で今回僕ら2名が派遣されたわけです。
タクシーで会社玄関に到着すると、デンマーク人部長とスリランカ人技師が僕らを出迎えてくれました。2階の会議室に上がり、自己紹介や会社紹介、想定される日本の顧客や市場規模について、営業マンの日本語を僕が丁寧に通訳していきます。
次いで隣接する工場を視察しますが、これが本当に大規模なスペースを利用した、大きなインラインシステムになっています。ヨーロッパを中心に大きな製薬会社から発注があり、数か月をかけてオンラインの現場で大量に検査が出来るカスタマイズされたシステム一式を開発していくそうです。当然その予算規模も弊社が通常売っている器材とは桁違いになります。
ビジネスランチはデンマーク名物スモーブロー
視察終了後、部長さんがケータリングで地元デンマークの名物、黒パンのスモーブローのサンドイッチをご馳走してくれました。ヨーロッパには様々な種類の黒パンがあって僕は大ファンなのですが、デンマークのスモーブローはぎっしりとライ麦が押し固められた、どちらかというと粒が残った薄い餅にも似た食感の、酸っぱい味がやみつきになる黒パンです。これにスモークサーモンや野菜が見た目もきれいに盛り付けされた、とてもおいしいデリです。
僕もデンマークに来るのは初めてだったので、この機会に部長さんに色々と話を聞きます。なんでも北欧諸国の常として、税金が非常に高いデンマークではありますが、その分社会保障もきちんとしているので、医療や住宅はもとより子どもの教育費もかからないので、部長さん曰くむしろ産めば産むほど楽になるそうです。部長一家も5人の子どもがいて、夏休みのバカンスには陸続きのイタリアやフランスに数週間家族で旅行に出かけるとのこと。なんだか聞いているだけで楽しくなってくる話で、振り返って日本と比べてみるとあまりの落差に愕然とします。
オーフスは結構大きい街
今回の出張が決まるまで僕はオーフスという地名すら聞いたことがなかったのですが、結構コンパクトでありながら、色々お店もあって意外と大きな街です。夕食は一緒に行った営業さんと、なぜか中華料理のバイキングに行ってしまいました。どうやら二人ともアジア料理が恋しくなっていたようです。
コペンハーゲンに移動、乗り継ぎのはずが…
さて明くる日はオーフスの空港(市街地から遠い。タクシーで一万円くらいかかる)から、コペンハーゲンに飛びます。そのまま2時間くらいで僕らの帰国便が飛ぶはずだったのですが、なんとここでDelayの表示が。カウンターに行って聞くと、なんでも数時間かかりそうだという話です。なんてこった。
仕方がないので、一旦出国する前にせっかくなのでコペンハーゲンの街中を歩いてみることにします。こんな機会でもないと、今回の旅程では歩けません。
空港からは直通電車が出ているので、コペンハーゲン中央駅まで30分くらいで着くことが出来ます。結局、フライトは7時間のディレイとなったので時間もまだ余裕があります。中央駅から石畳の街を歩いて、チボリ公園やら買い物ストリートやら色々歩いて、満喫したあと空港にまた逆戻りです。
そしてようやく僕らは機上の人となったのでした。。
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